ゴミ屋敷の外観が周囲を恐怖に陥れる最大の要因は、目に見える汚れだけでなく、そのゴミの山を拠点として爆発的に繁殖し、地域全体へと拡散する害虫や害獣による「生物学的テロ」とも言える凄まじい被害の連鎖にあります。ゴミ屋敷の外観を構成する山積みのビニール袋、空き缶、古紙、そして放置された家財道具の隙間は、ゴキブリ、ハエ、ダニ、さらには蚊といった害虫にとって、天敵から守られ食料も豊富な「理想的な楽園」となってしまいます。夏場になると、ゴミ屋敷の外観からは数万匹単位のハエが羽音を立てて飛び立ち、異臭とともに近隣住民のキッチンや寝室へと侵入し、食中毒や感染症の病原菌を運んできます。さらにやばいのは、ゴミ屋敷の外観を隠れ家とするネズミやイタチ、アライグマといった害獣の存在です。彼らはゴミを食い散らかしてさらに外観を悪化させるだけでなく、ダニやノミを撒き散らし、建物の配線を噛み切って火災を引き起こしたり、天井裏に住み着いて糞尿被害を撒き散らしたりします。この害虫・害獣の被害は、ゴミ屋敷の境界線を簡単に越えて、清潔に保たれているはずの周囲の家々を一瞬で汚染し尽くします。近隣住民は、どれほど自分の家を掃除し、防虫対策を徹底していても、根源であるゴミ屋敷の外観が解消されない限り、毎日湧き出してくる不快な生物との戦いに精神を病んでしまいます。また、ゴミ屋敷の外観が不衛生であることで、野良猫が集まって繁殖し、さらなる糞尿被害を引き起こすという負のループも発生します。この「生きているゴミ」の連鎖は、地域の公衆衛生を根本から破壊し、子供や高齢者といった抵抗力の弱い人々の健康を直接的に脅かします。行政がゴミ屋敷の外観是正を急ぐ背景には、このような生物学的な脅威を食い止め、地域全体の安全を確保するという、まさに緊急事態としての判断があります。ゴミ屋敷の外観を放置することは、目に見えない無数の足音と羽音によって、地域住民の安穏とした生活と健康を少しずつ食い破らせていることに他ならないのです。
外観にゴミが溢れることで発生する害虫・害獣被害の連鎖