ゴミ屋敷という、心身ともに追い詰められた状況にある人々をターゲットにした、悪質な片付け業者が後を絶ちません。彼らの巧みな言葉に惑わされ、高額な料金を請求されたり、不適切な作業によってさらなるトラブルに巻き込まれたりする被害は、決して他人事ではないのです。安心して人生の再スタートを切るために、実際に起きているトラブルの事例を知り、悪質業者を見抜くための防衛知識を身につけておきましょう。 最も多いトラブルが、「高額な追加料金請求」です。最初は電話口やウェブサイトで「業界最安値」といった魅力的な料金を提示しておきながら、作業が完了した後になって、「ゴミの量が想定より多かった」「特殊な作業が必要だった」などと様々な理由をつけ、見積もり額を大幅に上回る金額を請求してくる手口です。これを防ぐためには、必ず作業前に、詳細な内訳が記載された書面での見積書をもらい、「追加料金は一切発生しない」という一文を入れてもらうことが、何よりの自衛策となります。 次に深刻なのが、「不法投棄」の問題です。正規の許可を持たない業者が、回収したゴミを山林などに不法に投棄し、後日、そのゴミの中から依頼者の個人情報が見つかったことで、依頼者自身が警察から事情聴取を受けるという、悪夢のようなケースも発生しています。業者が自治体からの「一般廃棄物収集運搬業許可」を持っているか、あるいは許可を持つ業者と提携しているかを、契約前に必ず確認しましょう。 また、「貴重品の盗難や破損」も、残念ながら存在するトラブルです。依頼者が目を離した隙に、現金や貴金属を盗み出したり、まだ使える家財を乱暴に扱って破損させたりするのです。作業中はできるだけ現場に立ち会い、貴重品は事前に別の場所へ移しておくといった自己防衛も必要です。 これらのトラブルに共通するのは、依頼者の「早くこの状況から抜け出したい」という焦りの気持ちにつけ込んでいる点です。どんなに追い詰められていても、その場で即決せず、必ず複数の業者を比較検討する冷静さを持つこと。そして、少しでも「おかしい」と感じたら、きっぱりと断る勇気を持つこと。それが、あなたの未来を守るための、最も強力な盾となるのです。